ミロクMSS-20を新たに購入しようかと思った話
去年末にはれて猟銃所持の許可書を交付され、ミロク5000spのオーナーとなった私ですが、ここ最近ずっと頭の中を巡っていた思いがあります。
「ボルトアクション、欲しいなぁ」
年末年始の忙しさにかまけてまだ射場に行ってすらない分際で、です。
しかし、1丁目を上下二連に選んだ時から
「二丁目はボルトアクションにしよう」
という思いがありました。
自分が猟銃を所持したいと思った根底にあるのは狩猟です。狩りがしたい。。。それも熊を。
ただ熊を撃ちたいわけではありません。
私が育った大好きな地元の山で、その山と向き合いながら歩き、探して、撃ちたい。。。
と、まあカッコつけて言えばこんな事を考えていました。
なのでスラッグを撃てないトラップ銃はナシ、スポーツ銃は。。。ありかな、と思いましたが、やはりどうせ射撃をやるなら専用の銃でやらないと道具のせいにしてしまう性格の私の事なので
「スキート競技銃なら当たるのかな」
と思って別の銃を買ってしまう未来はあまりにも明らかです。
フライロッドでもクライミングシューズでも技術が共わないくせに良い道具を欲しがる私の性格に嫌気がさしますが仕方ありません。
なのでこの選択は正解だったと思いますし後悔はありません。
銃砲店の方も
「スラッグも撃てるしね」
と言っていたのでじゃあ大丈夫だろう、と思っていました。
しかしこのスラッグ『も』という言葉が心にこびり付いていました。
それにスラッグを撃った事が無い私にとって上下二連で熊を撃つ、なんて事はあまりにも未知の世界、想像の遥か外側の行為でした。
狙える射程は?熊までどれくらい近付かないと当たらないんだろう。
10m?それとも20m?
山で何度も熊に会いましたがその距離だともう本当に目の前です。そこまで近付き撃つ。。。
あまりにも現実離れしています。
実際は何人も居る猟隊で犬もいる場合追い込んだ熊を何人かで撃つわけでしょうから当たるのかもしれませんが、そもそも誰かと山に行った経験の無い私にとってはやはり想像が出来ない行為に変わりありません。
私にとっての山はたった1人の世界。誰の事も考えないで気ままに遊べる世界だと思っています。
このままスキート銃を買うべきか、それとも。。。
ネットがあるおかげで全くの素人の私がここまで悩める事は幸せだったと思います。
教習射撃の終わりに銃砲店のご主人に
「他にももう一丁銃を持つのはありでしょうか」
と聞いてみました。まだ1丁目の銃も持っていないくせに次の銃を考えている事に引け目を感じた事を覚えています。
「もちろん、それが良いよ。あのスキート銃を猟に持ってくのは少しもったいないよ」
と言われるとフッと気持ちが楽になりました。
次はどんな銃にしよう、そう考える事が当たり前になったのです。
さて、となると仕事の空き時間や、移動時間、家にいる間も情報収集という名のネットサーフィンが続きます。
そんな事をしながら待っていると無事に所持許可証が発行されました。
後は銃砲店に行って銃を受け取り、警察署で確認になります。
取りに行った銃砲店には今日は別の店員さんがいました。
「次はボルトアクションを買おうと思うんですけど」
と言うと
「自動が良いんじゃない?
ボルトアクションは当たりすぎてつまらないって人も多いんだよ。」
と言われ
「いや。狩猟用に。。。」
と言うとならボルトアクションが良いよ、と言ってもらえてやたら嬉しくなりました。
これが良いんじゃない?
と言われてカタログをもらったのが
ミロクMSS-20。
ハーフライフルじゃないからいざとなれば散弾も撃てるし20番なのでスラッグでも12番ほどの反動は無いという事でもうこれしか無いな、と思いました。
問題は値段です、新銃だと定価が30万ほど、それにマウントやらスコープやら付けると。。。
40万はかかる。
たった今銃の代金を払った私には現実離れした金額です。
「急ぐわけではないのでもし良さそうな中古のものが入ってきたら教えてください」
と言い店を後にしました。
それからひたすらミロクMSS-20の事を調べる日々が続いたのです。
年は明け数日前、仕事の合間にブラブラしているとふと以前一度だけ行った銃砲店を思い出しました。
ダメもとで電話してみます。
「あ、もしもし、今ボルトアクションの散弾銃を探していまして。
出来ればハーフライフルでは無くて20番とかのがあれば。。。」
すると
「すごいね。今ね、丁度良いのが入って来たんだよ。ミロクのMSS-20ってやつ。
これからTwitterにあげようと思ってたの。」
まさか、1番探していた物があっさり見つかるとは。
明日必ず行くので予約したいと伝えて電話を切りました。
しかしまさかこんなに早く見つかるとは。。。
嬉しいけど早すぎる。
ついこの間上下二連を買ったばかりだぞ。
と素直に喜ぶ事が出来ない。
家族になんて言おう、生活安全課の担当者さんは怪しむだろうな。。。
そして銃を買う以上お金がかかります。中古なので格段に安いとは言え趣味のために貯金を使うのもな。。。
妻に相談するとまあ良いんじゃない?と諦めた様子。きっと反対しても無駄だと思ってるんだろうなぁ、と察すると申し訳なくなります。
趣味の銃を買うならば趣味の物を売ってそのお金で買おう。
実は以前カードゲームにハマっていた時期があったんですが今ではやる友達も引っ越し、そのものから遠ざかっていました。
実はこのカードゲーム、「遊べる株券」と言われるほど物によっては結構高値がついたりします。
6万円くらいになったら良いけれども。。。
ある程度値段が付きそうな物を50枚程度選び都内のカードショップに持ち込みました。
ある程度枚数があったので結構待ちました。
渡された番号札がやっと査定済みに出てきます。
店員さんが持っていた伝票を除き見ると
うわっ。。。安い。。。
えー、この値段になりますね。
あれ?一瞬驚きましたがどうやら1桁間違って見えたようです。
約12万円!!
これなら文句なしに銃の代金の足しになります。
いやー、スコープも良いやつ買っちゃおうかな。
なんて思うくらい。
自然も趣味も、ちゃんと循環するんだなぁ。