毛鉤は秘密の話にのって。
毛鉤が好きだ。
それまで全くの鳥や獣の羽や毛だった物が自分の手の中で今にも飛び立ちそうな虫達に姿を変える。あの工程が好きだ。
今シーズンからはテンカラを始めようと思っていた。
フライフィッシングはそれなりにしたし、山で野宿する時もそのパックロッドを持って行った。
なのになぜテンカラを今更始めようかと言うとその手返しの良さに惹かれたからだ。
フライフィッシングだとどうしてもそっちがメインのイベント事になってしまい野宿との相性に少々疑問を持っていた。
というわけで漠然と次に手を出すターゲットをテンカラに定めかけていたある日、仕事をサボって立ち寄った釣具屋で中古の丁度良いテンカラ竿を見つけた。すぐにその竿を買って帰ると野宿用のザックに取り付けるロッドケース製作に取り掛かった。
野宿する際、ザックはかなり雑に扱われるため、その脇に取り付けるロッドケースは耐久性が求められる。
私はいつも塩ビ管を使って安価で丈夫なケースをザックの脇に刺すことにしている。
このザックは魔法のザックでわずか45リットルの中に私の全てが入っている。
リビングもキッチンもダイニングもベッドルームも。このザックを広げるとたちまちそこに我が家が現れるのだ。
このザックの作り方にはそれ相応のこだわりがあって、長年かけて私なりに必要と思う物を最低限に集めて作ってきた。
住みやすい家がすぐに出来るわけではないように、リフォームしたり配置換えしたりする様にこのザックを作り上げてきた。
そんなザックに刺したロッドケースの脇に、小さなポーチを拡張する事にした。
そこにはテンカラ用のフライボックスや、ライン、小物を入れる予定だ。
つまり、今使っているフライベストのポケットからフライボックスを持って来るのではなく、テンカラ専用の、野宿専用の毛鉤スペースをザックに作るのだ。
それはあたかも家にフライ部屋を増築するようなものだ。わずか10センチ四方の増築だけれど。
そんなわけで見よう見まねでテンカラの毛鉤を作っている。
新しい事にチャレンジ出来るのはいつになっても嬉しい。
今夜子供を寝かせたら毛鉤を巻こう。
そう決めていた。
動物番組のテレビを一緒に見ながら程よい時間で歯磨きを促す。仕上げの磨きが済んだら子供が大好きなおさるのジョージを寝室で見る。
途中寝ぼけて甘えて絵本をせがんだ子供に絵本を読む。
いつも通りだ、これで5分もしないうちに眠りにつく。。。
しかし息子は身を翻してこう言ったのだ。
「お腹空いたからご飯を食べる」
寝ぼけているのか?
明日の朝食べようね、と返事をすると
「晩ご飯食べてないから食べる」
寝ぼけてなどいない。その目には強い意志があった。
だからあれほどしっかり食べろと。。。。
しかしお腹が空いたのなら仕方がない。
即席麺の夜食を作った。
息子は猫舌なので出来たラーメンに少し残っていた冷やご飯を入れてぬるくしてやる。
ラーメンご飯と言うべきであろうその夜食にいつもは見せない集中力で頬張る。
柔らかそうな頬っぺたに食事がどんどん送り込まれていく。
気がつけば部屋にはチキンスープの匂いが立ち込めていた。
思わず
なんで遅い時間に食べるご飯は美味いんだろう
と聞いてみた。
息子はただくしゃっと笑ってまた頬張る。
空腹だけじゃない。
普段食べないこの遅い時間に食べるという事が特別なのだ。
まさに野宿の際のあれである。
少し前まで赤ん坊だったと思っていた3歳児と急に深く心が通じ合った様な気がしてたまらなく幸せになった。
もしいつか一緒に酒を飲む日がくればきっとこんな気持ちなんだろう。
その後手作りベッドに入った息子は私の髭を触りながら5分も待たずに夢を見ていた。
今夜は良い毛鉤が巻ける、そんな気がした。
父の登り窯を解体して山小屋を製作。
日暮。
カラカラカラ、と西からの風を受けて屋根に付いた小さな鯉のぼりの風車は回る。
骨の様な錆びた釘が浮き出ている痩せた小屋だ。
その役割を終えてから暫くの月日、ただ脇を流れる川の音と過ごして来た。
まだ役割があった時は年に数回、1000℃を超える炎を抱えて主人を雨からも風からも守って建っていた。
それは私の父だった。
登り窯に火が入る時、窯の上にはアルミ箔に包まれた芋が置いてあり、隣にある古ぼけたやかんからは湯気が上っていた。
このお湯で我々姉弟はこの時だけ許された小さなカップラーメンを食べ、夜がふけても輝く灯りと煙突から昇る煙を眺めた。
ここの家に生まれた者にとって、あれは最高のお祭りだった。
しかしもうあの夜は無いのである。
父が窯を焚かなくなってから、ここは煉瓦やただの無機質な道具達があるだけの場所になった。
そして、そうなってからしばらく経つ。
なんとか灯りの燈る夜をもう一度見てみたい。
私は登り窯を解体して、皆が集える山小屋にする決意をした。
私達が感じた思い出の中にある夜の高鳴りを2人の息子にも経験させたい。
計画を練る。
まずはこの家にある廃材を出来るだけ活かす事。
そしてこの窯の名残を、少しでも残す事。
取り掛かる前はこんな感じ。
ただ一人、残された窯は何を思って過ごして来たのだろう。
1の窯を解体したあたり。
大型の耐熱レンガは異常に重い。形も数もたくさんあり先が思いやられる。
しかしなきごとばかり言っていられないのである。
気合いで2の窯にとりかかる。ひたすら煉瓦を運び出す地味な作業。
新品の軍手は2日で穴が空いた。
1の窯があったあたりに煉瓦を敷いて土間にした。
その隣には板の間を作ろう。
使うのは廃材と煉瓦ばかり。
木材も古く、反っていたり欠けていたりでろくに水平もとれずに難航する。
そもそもこの小屋自体が曲がっているのだ。
寒かったので土間に窯を作る。
これでなんとか暖をとりたい。隙間だらけで煙い上に煙突は曲がっている。
それはこれから徐々に直して行こう。
これからが山生活のスタート。火を得てやっと少しだけ人の生活らしくなる。
雪のちらつく日が続き、火が与えてくれる熱はこんなに貴重なものだったのだと気付かされる。
かつて黒煙を吐き出していた煉瓦の煙突と比べると、かなり小さくなってしまったが、この小屋から煙が昇る姿に胸が満たされる。
2の窯の煉瓦達も運び終える。
ここには小上がりとロフトを作る予定だ。
ロフトならば底冷えはしないだろうし、窯からの熱が溜まって暖かい。
何より私も子供達も高い所が大好きである。
ロフト用の柱を立てながら想像する、子供の頃の自分がここで泊まる夜を。
ロフトで寝ていて真下から聞こえてくる大人達の楽しそうな声を。
集いの場になれば嬉しいので、ここは掘りごたつにする事にした。
真ん中に七輪を置いて何かを焼き、暖をとれる場所。
ロフトに板を貼ってみる。なかなか広い。
屋根裏の様な雰囲気があって私はすぐにこの場所が好きになった。
子供達も上がるので柵も付けた。
同じ労力ならば作り上げて行く方が解体よりもよっぽど楽しい。
不揃いな廃材達に苦戦しながらでも、楽しい時間を過ごした。
下の掘りごたつスペースにも内壁のつもりで物置にあった古い黒板を付けた。
そしてこの2つをつなぐ緩やかな階段も付けた。。。
古い村の集会所の様になり、なかなか良い雰囲気だ。
そして完成を祝してついにここに泊まった。
これだけの事をやりきった達成感と懐かしさで胸がいっぱいだった。
ここでたくさん山遊びをしよう。
MSS-20を念願の艶消し塗装に
↓今回はMSS-20をバラしてみます。
都内の銃砲店でMSS-20に一目惚れした時から思っていた事があります。
「この子は絶対に艶消しが似合う」
完全に狩猟用にと考えていたのでスタイル、性能は申し分ないと思いました。
しかし、しかし!
このピカピカした光沢だけが気に入らない。
見るからに水にも汚れにも強そうとはいえこの見た目、質感。。。
前のオーナーさんは射撃にしか使っていなかった様なのでわりと綺麗でしたが、ウレタン特有の白くなった傷が目立ちます。
↑この傷達も消してやりたいと思っていました。
無事に所持許可がおりてからは毎日の様にガチャガチャ触ってはスコープを覗きました。
艶消しが良いと思い込んでしまったせいか触ってみてもやはりこの塗装が気になります。
完成度の高い銃だしウレタン塗装のままの方がきっと良いのは分かるんです。
しかし、思い込みとは恐ろしいもので手が乾燥してればツルツル滑るし汗をかいていれば指紋が気になる様になってしまいました。
早く撃ちに行きたい、スコープの調整がしたい。
しかし塗装を剥がす事を考えていたので分解するとまた調整しなおさないといけないのかな?
と思いなかなか行けません。
運命的な出会いを果たしたこの銃ですからどうせなら自分にとって最高の物にしてやろう。
そう決めてから色々作戦を考えました。
まずウレタンを剥がす方法は2つあります。
ひとつは剥がし剤を使う方法、ものによってはウレタンを剥がせない物や逆に車の塗装も剥がしてしまう物。実に色々あります。
弱すぎて剥がせないんじゃ意味ないし強すぎると木そのものを痛めてしまわないか。。。
もう一つの方法は塗装をサンドペーパーで削り落とす方法。
シンプルですね。しかしこれは途方もない手間がかかるし細かい部分もあるので果たして可能なのか検討もつきません。
なので剥離剤を使う方法を選びました。
ネット通販は色々買えますが、どんな用途に使えるのか分からない部分があるので量販店に行きました。
店員さんに尋ねるとある剥離剤を勧められました。なんでもその方はギターのウレタンをこれで剥がしているとの事。
ならば安心だろうとそれを購入。他にもハケやら買って帰りました。
いよいよ取り掛かる時。
色々ネットの情報を漁りますがなかなか分解方法が出てこなくて不安ですが、シンプルなボルトアクションですから覚悟を決めて取り掛かります。
作業中の説明はおそらく動画の方が分かりやすい部分もあるかと思ったので動画も作ってみました。
こちらもどうぞ。
https://m.youtube.com/watch?v=lOYME1N45kk
まずは下部に3つあるネジを外していきます。
するとマガジンやトリガーガードが外れて銃身とストックが外せます。
あっけないくらい簡単に外れました。
スリングも外してストックのみにしておきます。
マスキングテープでゴム部分を保護します。
薬剤が馴染みやすい様に塗装面に傷を付けます。
いよいよ剥離剤を塗っていきます。
すぐに色が染み出て来たのでこれはいけるかな?
たっぷり塗って暫く放置ののちヘラで剥がしてみます。
。。。。あれ、剥がれない。
わずかにゲル状になった塗装膜が取れますが、それだけ。
なかなか強い塗装なのでしょう。
一回拭き取りもう一度塗ります。今度は余計たっぷり塗って放置時間も長めにとります。
見た目にはあまり変化ありませんがヘラで擦ってみれば分かります。
それでも変化はありません。
擦れるだけ擦って水洗いしましたが全然塗装が残っています。
これだけ時間をかけてこの有様か。。。
剥離剤で取るのは現実的ではなくなりました。
いや、そもそも剥離剤に頼ろうという入り口が間違っていたのかもしれません。
普段も遅延で止まっている電車を待つくらいなら歩いて向かいたい。
そんな性格の私が剥離剤を使って楽をしようなんて全くおかしな話です。
自分で削れば手間だろうが確実です。
吹っ切れてサンドペーパーを手にします。
みるみる塗装が白い粉に変わっていきます。
どれだけ大変か分かりませんがこうなったらやり進めるのみ。
広い場所はスムーズにいきますが細かい場所はなかなか大変です。
粗めの120番と240番のサンドペーパーを駆使して手作業で進めていきます。
↑ストックに付いていた深い傷も削り落とします。
せっかくなのでグリップも私の手の形に合わせて握りやすいように削ります。
この銃はもう誰かの銃ではなく私のMSSなのです。
全体のウレタンがやっと落ちたら今度は細かい耐水ペーパーにかえて先程付いた細かい傷を均していきます。
特にグリップ周りや手の触れやすい場所はザラザラが気にならない様に丁寧に触って確かめながら作業します。
やっと塗装へ。
クリアの艶消し塗料にしました。
結構硬めの塗料だったので塗っては雑巾で伸ばしてを繰り返して塗り込んでいきます。
2度塗りしました。
かなり良いんじゃないでしょうか!
完全に乾いてから組み立てていきます。
そして遂に。。。
完成!!
シブい、シブすぎます。
大満足の出来で完全に私のMSSになってくれました。
やはり頼れるのは自分の手って事ですね。
作業手順を動画にまとめたのてこちらも見てもらえると嬉しいです。
https://m.youtube.com/watch?v=lOYME1N45kk
これで完成かな?と思いましたがなんだかストックに付ける弾差しも欲しくなりました。
20Gのものはあまり無いだろうし更に自分が気に入った物、となるとおそらく難しいのでまた自作かなー、と考えています。
渓流魚は綺麗な毛鉤がお好き?
前、後ろ、前、後ろ。
僅かに空の低い所が明るくなり、水面が段々と白く、はっきり見えて来て、ただの暗闇の一部だったまわりの木々がその形を露わにしだすと、オレンジ色のラインがその隙間を縫う様に行き来する。
前後にたっぷりと振られてエネルギーを蓄えたラインに押し出される様にリーダーが勢いよく伸びる。
フライが着水する前にロッドの持ち手のコルクを僅かに引くと、生き物の様に飛んで行ったフライはただの羽に戻った様にヒラヒラと水面に落ちてゆく。
落ち込みのわずか下の流れに上手く乗り、1.2.....
一瞬水が跳ね、フライは沈み、岩魚のヒレが水面を打つ。
竿先を上げてテンションをしっかりとかけてやると水中の魚の動きが振動となり手に取る様に分かる。。。。
私はフライフィッシングが好きです。
まだ、夜と朝の間の静かな川に入り竿を振っていると光が差し、虫が飛び、川が目を覚ましてきます。その時間がたまらなく好きです。
中でもドライフライが大好きです。
水面を流れる自分が巻いたフライ姿は本物の虫よりも虫らしく、目の前で魚が食いついて来ます。その瞬間は興奮と喜びに包まれるのです。
沢の水は夏でも冷たく、網の中の岩魚の体はキラキラと輝いています。
針を外してやり、スッと消えていく後ろ姿に見惚れている。。。。
こんなロケーションを想像しながら毛鉤を巻く時間も楽しいのですが、今回は私が今まで巻いた毛鉤の中で、使うフライ、あまり使わないフライ、それぞれを紹介したいと思います。
ではまず、良く使うフライから。
みんな大好きエルクヘアカディス。
簡単に巻ける、良く浮く、釣れる。
三拍子揃ったまさにスタンダードフライ。
私は先端にハックルを巻いたタイプが好きでパイロットフライとしても大活躍。
アダムスパラシュート。
この色がいいのかアダムスは釣れる。
アダムスの使いづらい点をパラシュートにする事で克服。写真の白のポストは見えにくいのでピンクがおすすめ。
ダンのパラシュート。
ダンは浮力が悪いので春先から初夏までは良く使います。見やすいは正義を地で行くやつ。
しかしこれで釣れるならこれ以外で釣れる気も。
ロイヤルコーチマン。
キングオブフライ、その見た目からフライボックスに入れていると一気に華やかに。
ダッククイルのおかげで離れていても良く見える。浮力も申し分なし。
慣れると以外と巻くのも難しくありません。
これで釣れるとなんだか嬉しい。
ブラックコーチマン。
捻くれ者の私はロイヤルコーチマンよりこちらが好き。黒いパターンが効く時は最強かも。
名前は分からないけどなんとなくで巻いてみたフライ。
フワッとした大きめのフォルムに白い色で見やすい。蛾にもメイフライにも見える気がします。暗い時に釣れる、日中はさっぱり。
アントパラシュート。
浮力よし、視認性よし、簡単に作れる。
夏の渓流ではひたすらこれ、これしか使わない日もあります。
そして釣れる、パイロットフライでそのままこれで釣れなければそこではもう釣れないと諦めるくらい信頼しているフライ。
ここからはあまり使わないフライ達
ダン。
浮かないフライ。
しかしこれでしか釣れない時があるのも事実。
代えはいくつか用意しよう。
アダムス
まー、見えない。
ちょっとでも影になるともうどこにあるやら。
だったらパラシュートの方がよっぽど良い。
しかし沈んでも魚を食わせるのがすごい所。
見失ったら釣れてた、なんて事も。
CDCカディス。
見えるし、釣れるんだろうけど。
作るのが面倒であまり使いたくない。
フライボックスのアクセントに。
ロイヤルハンピー。
浮力は最強クラス、しかしこいつも巻くのが面倒くさい。14番だと拷問。
ロストしたらしばらく立ち直れない。なので甲虫パターンなら他で。
ミッジやら小ぶりのフライ達。
ただでさえ小さい上に色も地味なので少し離れるとゴミなのか泡なのか。
これにしか頼れないならその日は諦めよう。
マーチブラウン、アレクサンドラ。ウェットフライ達。
やはりフライに食う瞬間が見たいので使わなくなりました。
ドライに反応しない時、深さのある淵などあれば有効な場合はたくさんある。
ニンフ。
もうね、餌で良いのではと。
しかしこれだから釣れる場合があるので持って行ってしまう。
使って面白いかは言わずもがな。
とまあ好き勝手に書いてみました。
私はダイイングもキャスティングもたいして上手くありません。
渓流で使うフライはなんと言っても
見えやすい、沈みにくい、作りやすい
これに尽きると思います。
もちろん釣れる、という要素も大事ですがそれはフライ以外にも川のコンディションなど色々あるので。
木々が茂る渓流では暗くてフライの姿を負いにくいので、使っていてストレスにならないフライが良いフライだと思います。
使いにくいフライを上手に使いこなす人を羨ましくも思いますが、とりあえず現在の私のレベルではこんな感じです。
そろそろ渓流の解禁日が近づいてきました。
それは数ある春の訪れの中でも私が1番大好きな物です。
ミロクMSS-20用の革製スリング
前日ついに許可が降りて我が屋にやってきたミロクMSS-20。
銃砲店で初めて触ってから毎晩夢を見ました。
(とは言っても申請から1週間で所持許可がおりました。生活安全課の担当者さん、いつも丁寧な仕事ありがとうございます。)
見つめてウットリ、ボルトをガチャガチャしてその質感に酔いしれました。
しかしこの時点ではまだ不完全な状態です。
既に持っている上下二連とは違って完全に狩猟が目的の銃なのでスリングが必要でした。
この見た目に似合うスリングはやはり革製だろう。。。
ということで早速探します。
ターナーというメーカーの物が良さそうでしたが、現在は流通していないようでどこにも在庫がありません。
中古で1つだけ見つけましたが値段が10000円。中古のスリングで10000円。。。。
良い物なのでしょうがスリングくらいは新品が欲しかったので却下。
https://www.amazon.co.jp/Tourbon-本革製-銃のスリングベルト-肩パッド付のスリング-軍用/dp/B00YIVU8N6
こちらの商品に決定しました。
こちらは長さ調整の部品も革紐で金具を一切使っていません。
MSS-20は木製ストックなのでこれなら傷も付かないでしょう。
革製だし見た目も値段も問題ないと思いました。
到着した物を確認すると。。。
ちょっと裏がツルツルしていて滑りそう。
なので自分流にカスタムしてみることにしました。
まずは革が乾いていた様なので丁寧にクリームとオイルを入れます。
肝心の滑り止めですが、近所のホームセンターで良さそうな物を2つ見つけました。
片方はゴムのベルト、もう片方はゴムスポンジのベルト。
ゴムスポンジの方はちょっと厚すぎですかね、ここはゴムの方にします。
長さを測って接着剤でとめていきます、ゴムの幅が案外ピッタリだったので革部分がはみ出さない様に気をつけます。
上手く貼り終えたらしっかりと固定。
しばらく待ちます。
で、次の日まで待ち僅かに幅が余ったゴムを革に沿ってカットして完成です。
滑る事は無くなりなかなか良い感じです。
これなら肩に掛けても問題なし。
かと思ったら、スリングを付けてみて色々試しているとやはり外国の物だからか、わたしには少し長い感じ。
ホールを調整して短くしますが、余った革部分が肩に当たってずれるので思い切って余った部分を切り落としました。
これで私だけのオリジナルのスリングの完成です。
次はストックのウレタンを剥がしてつや消しにしようと思います。
ますます愛着が湧きますね。
Trangiaのメスティンを使った美味しい炊き込みご飯の作り方
私は山に持っていく道具を家で使う事が大好きです。
道具その物が好きっていう事もありますし、アウトドア道具って家で使う道具とはまた少し違く作られているのでそのちょっと違った部分が妙に使い勝手が良かったりします。
中でもTrangia製のメスティン。
https://www.iwatani-primus.co.jp/products/trangia/kettles-cookers/tr_210.html
アルミの弁当箱に取手が付いただけの様なシンプルなデザイン。
こいつは鍋ともフライパンとも違ってメスティンとしか言い様のない作りでファンがたくさんいるアイテムです。
メスティンだけのレシピ本も出ているくらい。
また、四角いデザインなのでザックに入れるハードケースとしての収納力も高いですよ。
私がよく好んで使う用途は蒸し焼きと炊さん。
蓋の密閉性が高いので具材の水分だけで蒸し焼き出来ます。タレ味のホルモンなんかはプリプリに焼けて最高なんです。
↑先日のイグルー泊でも作りました。
そして炊さん、これはかなり上手く炊けます。
ちょっとした事を気をつけるだけで飯ごうよりずっと上手く炊けますよ。
炊き込みご飯は具材やら調味料が必要になるので私は家でしか作りませんませんが、その場合は必ずメスティンを使います。
丁度年明けに七輪を使う機会があったのでこれを使って炊き込みご飯を作ってみました。
いただいた牡蠣を具材にして味付けはバターと醤油。
作り方
1.米を研ぐ。
2.米を出汁やスープに入れて30分ほど吸わせる
3.具材を入れて蓋をして中火以下の火にかける
4.匂いが香ばしくなってきたらひっくり返して蒸らす
以上。
簡単です。
コツは3の時にとにかく弱火にする事です。焦げ付きにくくなります。
弱火でも蓋がしっかり密閉してるので圧はしっかりかかっていて問題ありません。
蓋が持ち上がらない様に重石を乗せておくと良いでしょう。
↑薪を重石にしています。
蒸らしはタオルなどで包むと良い様ですが、冷える物の上でなければ余り気にする必要は無いと思います。
屋外でやる場合は焚き火の端なんかだと最適だと思います。
不安な場合は蒸らしの時間を長くすると美味しい炊き上がりになります。
完成!
美味しそうでしょう。
放っておくだけで簡単に美味しい炊き込みご飯が出来ました。
他にも「鮭」や「鶏肉と根菜」も美味しかったですよ。
ミロクMSS-20を新たに購入しようかと思った話
去年末にはれて猟銃所持の許可書を交付され、ミロク5000spのオーナーとなった私ですが、ここ最近ずっと頭の中を巡っていた思いがあります。
「ボルトアクション、欲しいなぁ」
年末年始の忙しさにかまけてまだ射場に行ってすらない分際で、です。
しかし、1丁目を上下二連に選んだ時から
「二丁目はボルトアクションにしよう」
という思いがありました。
自分が猟銃を所持したいと思った根底にあるのは狩猟です。狩りがしたい。。。それも熊を。
ただ熊を撃ちたいわけではありません。
私が育った大好きな地元の山で、その山と向き合いながら歩き、探して、撃ちたい。。。
と、まあカッコつけて言えばこんな事を考えていました。
なのでスラッグを撃てないトラップ銃はナシ、スポーツ銃は。。。ありかな、と思いましたが、やはりどうせ射撃をやるなら専用の銃でやらないと道具のせいにしてしまう性格の私の事なので
「スキート競技銃なら当たるのかな」
と思って別の銃を買ってしまう未来はあまりにも明らかです。
フライロッドでもクライミングシューズでも技術が共わないくせに良い道具を欲しがる私の性格に嫌気がさしますが仕方ありません。
なのでこの選択は正解だったと思いますし後悔はありません。
銃砲店の方も
「スラッグも撃てるしね」
と言っていたのでじゃあ大丈夫だろう、と思っていました。
しかしこのスラッグ『も』という言葉が心にこびり付いていました。
それにスラッグを撃った事が無い私にとって上下二連で熊を撃つ、なんて事はあまりにも未知の世界、想像の遥か外側の行為でした。
狙える射程は?熊までどれくらい近付かないと当たらないんだろう。
10m?それとも20m?
山で何度も熊に会いましたがその距離だともう本当に目の前です。そこまで近付き撃つ。。。
あまりにも現実離れしています。
実際は何人も居る猟隊で犬もいる場合追い込んだ熊を何人かで撃つわけでしょうから当たるのかもしれませんが、そもそも誰かと山に行った経験の無い私にとってはやはり想像が出来ない行為に変わりありません。
私にとっての山はたった1人の世界。誰の事も考えないで気ままに遊べる世界だと思っています。
このままスキート銃を買うべきか、それとも。。。
ネットがあるおかげで全くの素人の私がここまで悩める事は幸せだったと思います。
教習射撃の終わりに銃砲店のご主人に
「他にももう一丁銃を持つのはありでしょうか」
と聞いてみました。まだ1丁目の銃も持っていないくせに次の銃を考えている事に引け目を感じた事を覚えています。
「もちろん、それが良いよ。あのスキート銃を猟に持ってくのは少しもったいないよ」
と言われるとフッと気持ちが楽になりました。
次はどんな銃にしよう、そう考える事が当たり前になったのです。
さて、となると仕事の空き時間や、移動時間、家にいる間も情報収集という名のネットサーフィンが続きます。
そんな事をしながら待っていると無事に所持許可証が発行されました。
後は銃砲店に行って銃を受け取り、警察署で確認になります。
取りに行った銃砲店には今日は別の店員さんがいました。
「次はボルトアクションを買おうと思うんですけど」
と言うと
「自動が良いんじゃない?
ボルトアクションは当たりすぎてつまらないって人も多いんだよ。」
と言われ
「いや。狩猟用に。。。」
と言うとならボルトアクションが良いよ、と言ってもらえてやたら嬉しくなりました。
これが良いんじゃない?
と言われてカタログをもらったのが
ミロクMSS-20。
ハーフライフルじゃないからいざとなれば散弾も撃てるし20番なのでスラッグでも12番ほどの反動は無いという事でもうこれしか無いな、と思いました。
問題は値段です、新銃だと定価が30万ほど、それにマウントやらスコープやら付けると。。。
40万はかかる。
たった今銃の代金を払った私には現実離れした金額です。
「急ぐわけではないのでもし良さそうな中古のものが入ってきたら教えてください」
と言い店を後にしました。
それからひたすらミロクMSS-20の事を調べる日々が続いたのです。
年は明け数日前、仕事の合間にブラブラしているとふと以前一度だけ行った銃砲店を思い出しました。
ダメもとで電話してみます。
「あ、もしもし、今ボルトアクションの散弾銃を探していまして。
出来ればハーフライフルでは無くて20番とかのがあれば。。。」
すると
「すごいね。今ね、丁度良いのが入って来たんだよ。ミロクのMSS-20ってやつ。
これからTwitterにあげようと思ってたの。」
まさか、1番探していた物があっさり見つかるとは。
明日必ず行くので予約したいと伝えて電話を切りました。
しかしまさかこんなに早く見つかるとは。。。
嬉しいけど早すぎる。
ついこの間上下二連を買ったばかりだぞ。
と素直に喜ぶ事が出来ない。
家族になんて言おう、生活安全課の担当者さんは怪しむだろうな。。。
そして銃を買う以上お金がかかります。中古なので格段に安いとは言え趣味のために貯金を使うのもな。。。
妻に相談するとまあ良いんじゃない?と諦めた様子。きっと反対しても無駄だと思ってるんだろうなぁ、と察すると申し訳なくなります。
趣味の銃を買うならば趣味の物を売ってそのお金で買おう。
実は以前カードゲームにハマっていた時期があったんですが今ではやる友達も引っ越し、そのものから遠ざかっていました。
実はこのカードゲーム、「遊べる株券」と言われるほど物によっては結構高値がついたりします。
6万円くらいになったら良いけれども。。。
ある程度値段が付きそうな物を50枚程度選び都内のカードショップに持ち込みました。
ある程度枚数があったので結構待ちました。
渡された番号札がやっと査定済みに出てきます。
店員さんが持っていた伝票を除き見ると
うわっ。。。安い。。。
えー、この値段になりますね。
あれ?一瞬驚きましたがどうやら1桁間違って見えたようです。
約12万円!!
これなら文句なしに銃の代金の足しになります。
いやー、スコープも良いやつ買っちゃおうかな。
なんて思うくらい。
自然も趣味も、ちゃんと循環するんだなぁ。